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溶剤を選ぼう 溶解力と蒸発速度が選択のポイント

溶剤を選ぼう

溶解力と蒸発速度が選択のポイント

 
溶剤は樹脂成分を溶解、あるいは希釈して適切な塗装粘度に調整し、均一な膜になるよう塗り広げるためにとても大切な材料です。
「似たもの同士はよく溶ける」と言いますが、樹脂と溶剤の化学構造が近いものは溶けやすいことになります。
溶剤には炭化水素系、ケトン系、エステル系、エーテル系、アルコール系溶剤があります。炭化水素系は最も極性が低く、アルコール系は最も高く、
その他のものはこの中間に位置されます。
例えば油性塗料は炭化水素溶剤のみで溶解しますが、アクリル樹 脂、ビニル樹脂などはケトン系、エステル系溶剤を用いて溶解力を向上させるなど
溶解力のバランスを考 えた溶剤組成にする必要があります。
溶剤の蒸発量は蒸気圧と分子量の積が支配因子になります。
沸点は分かりやすいのですが、蒸発速度の尺度にするのはやや無理があります。
実用的には酢酸ブチルの蒸発速度を1とした時の各溶剤の実測の相対蒸発速度を参照すると良いでしょう。
乾燥の過程で塗膜中に残存する溶剤が樹脂の溶解不良を起こさないよう溶剤配合を設計します。
高蒸発速度の溶剤は塗装後急速に蒸発し、固形分を上昇させるのに有効ですが、あまり急速な蒸発は空気中の水分を塗膜表面に結露・白化させる
「ブラッシング」と言う現象を起こします。
中・低蒸発速度の溶剤は蒸発のバランスをとり均一な塗膜が形成できるよう用います。
塗装時に加えて粘度調整に用いるシンナー (希釈剤の意味) も同様の考え方で、溶解性と蒸発速度のバランスをとる組成になっています。
溶剤は大変便利な材料として塗料に多用されてきましたが、光化学スモッグの発生原因になりやすいトルエン、キシレンの規制から始まり、
現在は全VOC(揮発性有機化合物)の規制がなされ、その削減が塗料工業の最も大きな課題になっています。

 
ポイント
●溶剤は溶解力と蒸発速度を考慮して使用
●溶剤は低、中、高沸点溶剤を組み合わせる
●溶剤量の削減は塗料業界の最大課題

 

 

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