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塗料の塗膜性能 硬いか、強いか、よく伸びるか? 遊離塗膜の引張り試験でわかること

硬いか、強いか、よく伸びるか?

遊離塗膜の引張り試験でわかること

 
材料の物理的な強さを表現するのに、私たちは「強い」「弱い」「もろい」「丈夫」など様々な言葉を使います。
これらの関係は図1のように整理でき、よく伸びるゴム系塗膜は、図1のだ円で示す粘り強い領域に相当します。
一方、パテのような固体粒子高充てん塗膜は点線のだ円で示すもろい領域に該当します。
表題の硬い、よく伸びる材料とは強い材料です。
このような物性を知りたい時には、被塗物から遊離塗膜をはがし、その塗膜を短冊形にして引張り試験機にかけ、一定速度で引張るとよくわかります。

 

荷重と伸びとの関係から応カ~ひずみ曲線を求めると、図2に示す結果が得られ、次のように整理できます。
① 硬さはヤング率 (弾性率)に比例し、強さは抗張カで示されます。
②塗膜のたわみ性・耐衝撃性は破壊伸びにほぼ比例します。
③応カ~ひずみ曲線に囲まれた面積は塗膜の破壊に要する仕事量Uです。
いろいろな破壊現象を解析する時に利用できます。

 

焼付け温度を変えた場合の塗膜の応力~ひずみ曲線の一例を図3に示します。
高温焼付けほど弾性率は大きく(硬い)、破壊伸びは小さい(もろい)ことがわかります。
多くの塗装系で塗膜の破壊伸びはあまり大きい必要はなく、数%でも実用強度に耐えることがわかりました。
また、付着性の良いプライマーを使用すると、多層系付着塗膜の破壊伸び(図4) は遊離塗膜のそれよりも明らかに大きくなるようです。
この点が塗装系の妙味です。

付着状態の塗膜の機械的性質を調べる試験法はJISK 5600に11項目規定されており、工業界で多用されている一つは鉛筆引っかき試験(図5)です。
硬度記号の異なる鉛筆 (6B~9H)を使用して、傷が付くのか、塗膜が破れるのかを調べて、H、3Hのように表現します。

 
ポイント
●遊離塗膜の応力~ひずみ性から実用強度を解明
●塗膜のヤング率は硬さ、破壊伸びはたわみ性に
●耐屈曲性は下塗り塗膜の付着性が勝負

 

 

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