ブログ


作業計画 1、下地の劣化診断

IV、作業計画

1、下地の劣化診断

 
通常、建築現場の塗装は気象条件等の影響を受け、常時、最適条件の塗装が出来ないので、工場塗装と比較して、非能率的で安定した品質を確保出来ない要因を数多く抱えているわけであるが、塗り替えの場合は、さらに、被塗装物が一様でないという問題がある。
これは、被塗装物の基材の材質が多種類であるということだけでなく、いわゆる「劣化状態」が一律ではないということである。

 
塗膜の劣化については、屋外に曝されているので、ゴミやほこりが付着して汚れ、さらには、紫外線を受けて光沢が劣化し変色、退色が進む。
さらに劣化が進むと、顔料が析出して表面が粉化(チョーキング)を起こし、クラックやふくれを発生させることにもなる。

 
塗膜が割れたり、クラックが入った結果、これらの部分から水が浸入し、基材まで傷んでいる場合も多いので、表面の仕上げ材(塗膜のみが劣化しているのか、モルタル等の下地(基材)の傷みかを確認する。
特に、前項のシーリング材の劣化に起因する場合もあるので、劣化現象だけでなく漏水状態(痕跡)の確認をすることが望ましい。

 
塗膜の破損が素地にまで達している場合や、このようにシーリング材の劣化箇所から雨水が浸入して基材まで傷んでいる場合には、下地の補修に予想以上の工数(費用)がかかることがあるので、その原因を把握し、下地補修の方法を十分に検討しなくてはならない。

 
外壁の塗り替えを行う場合、既存の塗膜に対して付着性等の相性の良い塗装仕様を選択する必要があるが、材料によっては、劣化が進んでいないことが、塗装条件として良くない場合もあり、この場合は、下地処理を入念に行う必要がある。

 
あらかじめこのような現象の有無をチェックすることにより、必要ある場合は下地を補修し、あるいは、下地の表面を改質することにより、適切な塗装をすることが出来るので、塗膜の劣化診断は非常に大切な作業であると言える。

 
1) 劣化診断の方法
①、塗膜の品質

 
塗膜の劣化により、付着が弱くなり、下地からの剥がれ、割れやふくれが発生する。
塗膜は基本的に空気や水を容易に通すので、劣化が進行すると、基材(下地)の傷みが著しく進行する。

 
割れやふくれは肉眼で判断できるが付着性については、塗膜の剥離試験によって判定することになっており、「JISK5400 塗料一般試験方法」に下記の試験方法が定められている。

 
i) 碁盤目試験
塗装面にカッターで一定間隔の碁盤目を入れ、その面に貼り付けたセロテープを勢いよく引き剝がして剝離された塗膜の面積比率をチェックすることにより評価する。

 
碁盤目を形成する、JIS 規格に定められた間隔と本数は、

 
・1mm 間隔—— 100本
・2mm 間隔 25本
・5mm 間隔―9本

 
と規定されている。

 
ii)Xカットテープ法
塗装面の水分を除去して乾燥後、カッターナイフにより素地に達するまで×印の切り込みを入れ、50mm幅の布テープを貼り付けて勢いよく剥がす。

 
塗膜が劣化して、割れたり、クラックが入った結果、これらの部分から水が浸入し、基材まで傷んでいる場合も多い。

 
塗膜の破損が素地にまで達している場合は、下記のような現象に至ることが多いので、下地補修をすべきかどうか十分に検討しなくてはならない。

 
②、変退色、白亜化
新築時等の塗装色見本と現在の色の差を確認する。これらの色見本がない場合は、日があたらないので劣化していない北面、近接した物置の陰、ガス給湯機(取付金具)の陰等と比較する。

 
変化の程度をより正確に判定するために、主な色調については、予め、カラースケールを定めておくことが望ましい。

 
白亜化(チョーキング)については、手のひらでこすり、その汚れ具合で判定するか、セロテープを貼り、ゴム板で圧着し、勢いよく横へ剝がし、セロテープの糊面への粉の付着具合により判定する。

 
判定基準については、予め、チョーキングスケールを準備しておくとよい。

 
さらに、評価精度を高めるためには、財団法人日本塗料検査協会より、白亜化測定テープが販売されている。
これは、JISK5600 に定められた方法で評価した白亜化の等級においては、使用する透明粘着テープの種類により白亜化のデータに大きなバラツキがあるために、その対策として開発されたものである。
白亜化測定用テープ (1箱50枚入り) 2,000円

 
③、汚れ
測定対象箇所を濡れタオルでこすることにより、タオル面の汚れとこすらない箇所と比較し、外壁面の変化具合を評価する。

 
判定基準については、予め、チョーキングスケールを準備しておくとよい。

 
④、下地の傷み
下地となる基材の傷みが激しい場合、塗りかえるだけでなく、材料の補修や交換を伴う場合があり、非常に費用がかかることにもなる。

 
下記に記すような現象の有無を確認し、下地の補修の必要性を判断する。
特に、重要なことは、下地材料を交換すべきか、大工等の他の職種の作業が必要かどうかを的確に判断し、塗装仕様の選択、あるいは、作業指示に反映させなくてはならないことである。

 
i)金属系素材
・穴があいたり、錆により塗装面が盛り上がってしまっている。
・水切り等の固定ビスが浮いている。

 
ⅱ)サイディングパネル等
・シーリングが浮いている箇所やクラックから、雨水等が浸入
し、土台部分が腐っている。
・釘の頭が浮いている。
・サイディングを固定している下地がゆるみ、ブカブカして浮いている。

 
ⅲ)木質系材料
・雨水を吸い込んで湿っている。
・腐ってきている。
・白ありの被害を受けている。
(シロアリ自体、あるいは、蟻道を目にする場合)

 
2)診断結果の集約
診断は、官能的な検査であるため、数値的にあらわす場合は、診断シートを使うとよい。

 
シートを使って評価する場合は、各部位ごとに1表使い、東西南北、1~2階、屋根、玄関ポーチ、軒天等ごとに分けて記入する。
錆のような特定の材料だけに適用する場合は、評価欄を空白にすることにより劣化度を平均値で表すことができる。

 
劣化度(評価した平均値)に基づいて、個々の部位ごとに表のような判定コメントを自動的に表示することが可能であるが、別に、総合的なコメント欄を作成し、どのような処理をするのか述べるとよい。

 
1ほとんど異常ありません
2少し劣化の兆候が見られます
3号化しておりますので早めの処置が必要です。
4劣化が進行しておりますので早急に処置が必要です。

 

 

プライバシーポリシー  /  特定商取引に基づく表記      Copyright (C) 2019 有限会社ステップリフォーム. All rights Reserved.