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作業計画 2、塗装仕様の決定

作業計画
2、塗装仕様の決定

 
塗り替え対象となる住宅の外装材は、色々な材質の建材により構成されており、その都度、最適の塗料を選び出すことは容易でない。

 
「標準的な建築塗装の仕様については、
日本建築学会建築工事標準仕様書 18 (略称JASS – 18)
(Japanese Architectural Standard Specification)
や、国土交通省建築工事管理指針、その他公団、公社仕様書に記載されており、国や地方自治体の公共工事に適用されている。

 
また、塗り替えについての一般的な適合性については、建設大臣官房技術調査会監修「外装仕上げの耐久性向上技術」(博報堂出版)に記載されている。

 
一般住宅の塗装は、施工規模が小さく、様々な材料が使われることが多く、塗料の技術進歩も早いので、これらの仕様をそのまま応用することが難しい面もあるが、施工管理者は、これらの標準仕様を参照することにより標準工事の意義を理解して、塗布量や作り回数を減らすことのないようにしっかりとした管理をする必要があると考える。

 
現実に塗装仕様を決める場合、各塗料メーカーから類似の塗料が販売されており、どの塗料のカタログを見ても同じように表現されているので、見出しだけを見ても特性がわからず、塗料メーカー、あるいは、代理店の薦めであったり、塗装工事業者仲間の評判だけで採用されていることが多いようである。

 
効率的な事業展開を図るためには、各種の材料に対応出来る標準塗料メニューを作成しておく必要があるので、その要点を特性要因図にまとめた。

 
なお、塗料はそれぞれ個性があるので、すべてのことに百点満点を取れるものはないということを念頭において選択しなくてはならない。

 
①、仕上げ
i)下地の補修を行う場合が多いので、ある程度の塗厚さで隠版力があれば補修跡を隠すことができる。

 
ⅱ) 小さいカットサンプルにより色決めすることが多いので、出来るだけ、明るい色調でツヤのある塗料を使う。特に、艶がないと塗り替え感が乏しく施主の満足を得られないことがある。

 
メーカーで予め調色された標準色を使わない場合、お客様からは、「サッシの色よりもやや薄めの色」とか「見本の色よりもややクリーム色」等の抽象的な要望をされることがある。
これらのアバウトな要望であっても正確な色番号により取り決めることが必要である。

 
通常は、塗料メーカーの色番号や、日塗工(日本塗料工業会)で定めた色見本帳の番号を契約書に記載し、塗料の調達先に指示することによりトラブルを防止することに努めるものとする。

 
この日塗工見本帳は、1954年に制定されてから、随時改訂されつつ、2007年D版では 632色が規定され建築だけでなく色々な分野で使われており、現場に携行出来るようにポケット版も発行されている。
これを使う場合は、外部の環境次第で変質することに留意し、日光に直射させるような取り扱いをしないように注意する必要があるが、この日塗工の見本帳の有効期限は3年と定められているので適宜更新し、最新版を使うようにする。

 
また、現場で色合わせをしないで、調合済みの塗料を使う場合であっても、お客様とは、小さいカットサンプルで色決めしていることが多く、外壁に塗るとイメージが違う場合があるので、試し塗りすることによりトラブルを未然に防ぐように努める。

 
ⅲ) 既存の壁がリシン仕上げのような平坦な仕上りの場合は、テクスチャーをつけてグレードアップすることをお薦めする。

 
iv) 既存の塗膜に汚れや、クラック、防カビ防藻性能の改良改善すべき問題があれば、特に機能性を付与した塗料を採用する。

 
なお、これらの機能性については、同一種類の塗料であっても、性能差があるので試し塗り等によりその特性を把握しておくべきである。

 
②、耐久性
i)出来るだけ、耐候性のよい塗料を使うべきであるが、塗装対象となる住宅全体の長期保全(塗り替え)計画を立てて適切な塗装仕様を採用しなくてはならない。
例えば、塗り替えサイクルを長くするために、主外壁にフッ素系塗料を塗る場合のように、部分的に高価で耐久性のある塗料を使ったとしても、他の部位にスチール系の材料が使われていて、同じように長期間持たせる下地処理のグレードや塗装仕様が採用できなければ意味がないことになる。

 
ⅱ)密着性を得るためには、既存の塗膜や基材の材質に最も適合したものを選ぶことが原則である。塗装対象が特定の仕様の住宅を専門に行う場合は、塗料メーカーとその基材の材質に最適の塗料を調達することに努めるべきであるが、不特定の一般住宅の場合、使われているすべての建材に最適で万能の塗料はない。

 
個々の建材や既存の塗膜に最適な塗料を選択していると塗料の無駄を発生させやすいので、出来るだけ汎用性のある塗料を使って使用する仕上げ材を統一し、また、適正な下地調整材やシーラーを選択して対応することにより取り扱う塗料の種類を減らすこととする。

 
③、塗装費用
i) 塗装費用に占める材料代(塗料代)の比率は小さいものの、施工者は塗料価格にこだわることが多く、しかも、1缶の価格が安いものを求める傾向がある。
あくまで、標準の塗装仕様に基づいて、標準の塗布量を塗布するという条件のもとで、単位容量(円/缶)ではなく単位塗装面積価格(円/m)で評価すること。

 
ⅱ)総費用を塗り替えサイクル年数で割り算した定額償却的な値が真のコストになる。
対象物全体の塗り替えサイクルも考えて仕様を決めるべきであり、むやみに高価な塗料を使っても経済的な意味がない。

 
ⅲ)工事費については、塗料の伸びや乾燥性等の総合的な作業性、刷毛、ローラー等の消耗度も把握した上で決定すべきである。

 
④、環境への優しさ
i)出来るだけ、溶剤を使わない水系塗料を使うべきであるが、外装関係は、厳しい環境に曝されることが多いので、耐候性のある溶剤系塗料を使わざるを得ないことが多い。
塗装場所が外気に開放されているので、溶剤系塗料を使ってもよいが、弱溶剤塗料を使うことが原則である。
ところで、弱溶剤塗料、あるいは、水系塗料であっても無臭ではない。戸建て住宅の場合は、隣家と近接している場合が多く、無臭のものに臭いを感じる人もおられるので、格別の近隣配慮をしなければならない。

 
ⅲ)ローラー塗りで対処出来ることが望ましいが、吹き付け塗装を行う場合は、飛散による迷惑をかけないようにメッシュシートを使って丁寧な養生を行う。

⑤、調達の容易さ
i) 塗料の発注間違いや塗料の吸い込みが大きい場合、作業開始後に塗料を再発注することがあり得るので、緊急時に速やかな対応ができる調達先であることが望ましい。

 
ⅱ)出来るだけメーカーの標準色だけで受注活動すべきであるが、特殊色を調達せざるを得ないこともある。
予め、調達先(塗料代理店)のルールを確認しておくことにより、いざという時にトラブルを起こさないようにする。

 

 

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