溶剤(塗料用原料)
溶剤
溶剤は、樹脂、油脂および塗料を溶解して適度な塗料状態に調整したり、塗料を塗装に適する粘度にうすめるものです。
塗料溶剤として必要な性質は、塗料をよく溶かし、溶けたものが安定であること、無色または淡色であって、危険物的には安全性の高いもので中毒性、悪臭がなく、塗装後は蒸発して塗膜に残らないようなものがよく、また市場性があって経済的にも安価なことも重要です。
- 希釈剤
そのもの自体は溶解性がなくとも、他の溶剤と併用すればうすめ液として使用できるものをいいます。たとえば、ラッカー・シンナー中のトルエン、キシレンのような芳香族系溶剤をいいます。
- 助溶剤
アルコール類のように、それ自体ではラッカーを溶かさないが、酢酸エチルのような溶剤と併用すると本来の溶剤以上に溶解力が助長されるものをいいます。
塗料に用いられるシンナーは、一般に単独溶剤で使用されることは少なく、蒸発速度、溶解力、経済性を考えて多成分系の混合溶剤です。
蒸発速度と沸点とは必ずしも一致しませんが、一般的には沸点の差により、つぎのように分類されています。
- 低沸点溶剤
沸点が100℃以下のもの
- 中沸点溶剤
沸点が100℃~150℃のもの
- 高沸点溶剤
沸点が150℃以上のもの
前の記事へ
« 知っておきたい!塗料用原料(溶剤)の基礎知識次の記事へ
塗料の製造 »