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『造作材、化粧材の選び方』

和室の場合、柱を見せる真壁が一般的で、柱と柱の間には、長押が回されている。
これは横の線を強調する大事な化粧材だ。
長押があるとないとでは、部屋に格段の差が出る。
近ごろは、無駄だからといって省略するケースもあるようだが、長押がない和室では、部屋が貧相になる。
機能一本槍でいけば、長押など不要ということになろうが、人の住居というものはそうはいかないものだ。
軸組み構造の日本の住居は、縦材と横材の調和で成り立っている。
この調和が崩れると、どうにも落ち着きのないものになってしまう。
横材である鴨居やつけ鴨居は柱の四分の一程度の厚みしかないので、どうしても見劣りして調和を欠く。
長押をつけることによって柱に負けない調和を出す。
長押の役割は非常に大きい。このような、見た目―見てくれの美しさも、毎日寝起きする家であれば重要だ。
一見不要に思う長押などの化粧材は家では大切な部分を占める。和室には長押をつけなさいと、私はお施主さんにすすめている。
それだけに、長押のとりつけは大工の美的感覚を問われる難しいところで、センスのよしあしで仕上がりがかなり違ってくる。
幅は普通、柱の八分どり、七分どり、四分どりの半長押などといっているが、これも一通りではいかない。
部屋の広さ、柱の種類などをよくよく見極めたうえでないと、品がなくなるし、大袈裟すぎると、とってつけたようになる。目立ちすぎても隠れすぎてもいけない。この調和が難しい。
ただ、どんな場合でもいえるのは、長押などの横材は柾目でなくてはいけないということだ。目が切れていたらみっともない。
鴨居の場合も同じ。見えがかりを、私らは木端といっているが、ここは昔から「木端柾」といって、柾目を使うのが決まりになっている。
長押の場合は、柾目の突き板を張った集成材などが使われるが、鴨居は突き板というわけにはいかないので、部材を吟味してから使わないとまずい。
私らの若い時分には、鴨居に板目を使うようなみっともないことをしたら、親方から大目玉をくらったものだが、近ごろは部材選びにやや無頓着で「木端柾」を無視した使い方をしている大工もいる。
「予算がないからうるさく部材を選んでいられない」
という言い逃れは許されないだろう。鴨居に板目を使って、目を切ったりしたら、せっかくつけたのに、価値が半減してしまう。
確かに化粧材は贅沢をいったらきりがないし、構造材より単価が高いこともまれではない。が、せっかくとったのなら、多少金はかかっても、それなりのものは使わなくてはおかしい。
高いといっても、全部材の量からいえば、造作材などはどれほどでもないのだから、同じ予算内で工夫次第で、どうにでもなるものだ。

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