塗料の役割及び効用
2021/01/17
塗料の役割と効用の基礎知識
1.物の保護
塗料は、物の表面に塗装をすると丈夫な被膜になって物を保護します。
鉄、アルミニウム、木材、コンクリート、セメントモルタル、プラスチックなどの材料は、素地のままでは錆びたり腐食したり腐朽・分解したりして劣化し損傷してしまい、放置していると構造物の破壊や環境悪化などの重大な問題につながることになります。
ところが、これらの素材に塗料を塗装すると、表面が保護されるため、物を何倍にも長持ちさせることができます。
また、塗料は補修・塗り替えという比較的簡単な方法で物の長期保護をすることができるのも特徴です。
最近は、超耐候性塗料や長期防食塗装システムの適用で、塗装後は定期的な点検・補修をするだけで物を半永久的に保護することができるようになりました。
2.物の美粧
環境を美しく、生活を快適にする、ということは現代の社会の強いニーズです。
物の美粧はいろいろな手段で実現することができますが、塗料ほど豊かで多様な色彩・光沢・平滑性・立体的模様、表面の連続性など、自在な仕上がり感が簡単な方法で得られるものは他にありません。
また、塗料は、バラエティのある面白いデザイン効果をだすことができます。
建築物外壁の凹凸模様の吹付けタイル仕上げ、機械器具のハンマートン模様、自動車のメタリックカラーなどはその代表的なものです。
3.特別な機能の付与
塗料は、物の表面の機能をいろいろに変えて物の価値を高めることができます。
たとえば、電気・電子利用の機器・装置に電磁波遮蔽塗料(でんじはしゃへいとりょう)を塗れば電磁波公害を防止し、高層ビル・橋梁・船舶・航空施設などに着氷固着防止塗料を塗れば雪氷除去作業の軽減と安全対策に寄与します。
結露防止塗料は、病院・ホテル・浴室などの内部のほか、空気調整器の熱交換機などにも適用されて、省エネルギー・環境保全に、また、光ファイバー用塗料は光ファイバーの光学(通信)特性・機械的強度向上に寄与いたします。
その他、導電・磁性・太陽熱吸収・耐熱・遠赤外線放射・蛍光・光再起反射・紫外線遮断・フォットレジスト・変色・防音・制震・潤滑・ガラス飛散防止・貼紙防止・防塵・防カビ・防虫・水中防汚・水産養殖・消臭・ガス選択吸収など、いろいろな機能を果す塗料がいろいろな所に使用されています。