大いにすすめたい襖の間仕切り
2021/02/06
大いにすすめたい襖の間仕切り
西洋の住居は「蜂の巣形」、日本の住居は「田の字形」とは、よくいわれるところだ。
石や煉瓦づくりの西洋の住居では、物理的に一室の大きさが制限される。
結果、大きくするには、壁で仕切った小部屋を、あたかも蜂の巣のごとく連結していかざるをえない。
ところが、軸組み工法の日本の木造建築の場合は、一室を広くとったあとで、襖や壁で仕切っていく。
いかようにも仕切れるのが、大きな特徴になっている。
ならば、このメリットは大いに生かすべきだ。
プライバシーの確保とやらで、ひところ襖の仕切りは敬遠されたが、また見直されつつある。
日本の家の場合、防音室のような特殊な場合を除き、壁はせいぜい一○センチ内外の厚さしかとりつけられない。
音を完全にシャットアウトするのは、土台無理な話なのだ。
それを考えれば、いっそ、下手に壁をつけるよりは、できるだけ襖で仕切って、二間続き、三間続きになるように設計したほうが、機能性のよい家になる。
小さな家ならばなおのこと。
壁で仕切った小さな部屋をいくつもつくるより、とり外し自在の襖をつけておけば、部屋を多目的により有効に使うことができる。
仕切れば寝室に、開けば居間にも茶の間にも。
あるときは客間にも早変わりする。
襖続きの部屋なら融通無碍だ。