日本独自の知恵、摺動による開閉
2021/02/08
日本独自の知恵、摺動による開閉
「襖はいいが冬、すき間風が入ってくるのがたまらない」という人がいる。
安普請の住まいで、家そのものが歪み、建てつけが悪くなり、いかんともしがたい、ということは確かにあるが、普通の家では、襖にしたからすき間風が入ってくるということは、めったにない。
ちょっと、認識不足だ。
襖だけでなく、障子でもそうだが、これらは摺動といって、すって動かす。
これも日本建築の偉大な知恵だ。
洋風の家では、戸車をつけレールの上を動かす。
すって動かすという発想がない。
襖の場合、すって動かすから、敷居と密着しているために空気が抜けることがない。
かなり気密性があることを覚えておくとよい。
住んでみないとなかなか気がつきにくいが、戸車なんかつけた間仕切りでは、下からスースー風が入り込んで、冬、それこそ落ち着かない。
アコーディオン・カーテンなんぞは、悲しくなるくらい寒気が入り込む。
洋風のノブつきのドアはともかく、家の中の開口部はできるだけ、すって動かすようにしたらどうか。
日本が生んだ優秀性を見直したいところだ。
洋室と和室の仕切りを視にしたってちっともおかしくない。
戸襖にして、片面に板を張れば、洋間とも調和する。