『屋根材は瓦に限る』
2021/03/04
『屋根材は瓦に限る』
一枚一枚は、小さな部材でしかないが、瓦の果たす役割は大きい。
瓦が外気熱を反射・吸収するから、家の中に熱が伝わりにくくなる。
瓦のよさは世界的に認められていて、ヨーロッパでも、金属板を使った屋根というのは、ほとんど見当たらない。
欧州を見てみると、国境が変わるたびに、フランス型、スペイン型、S字型と次々と瓦の形が変わっている。
銅板は表面が酸化して緑青ができ、内部を保護し、耐久力があるため屋根材としては、瓦に勝るとも劣らないが、いかんせん高価すぎて、一般には使いきれない。
日本でも社寺などでは使うが、われわれの住居では、豪邸はともかく、あまり用いない(そういえば、皇居の新宮殿の屋根は銅板が使われて、緑青の美しさを発揮している)。
屋根材として、確かに瓦は安くはない。
しかし、瓦にかかる予算を削ったところで費用がそう浮くものではない。
仮に目に見えない屋根に金をかけたくないからと、屋根なし(陸屋根)にした場合を考えてみよう。
瓦代こそかからないが、防水工事費が瓦屋根より数倍もかかる。
結果いくらも浮かない計算になってしまう。
瓦屋根のほうが若干は高くつくかもしれないが、ランニングコストを考えたらずっと安上がりだ。
陸屋根の場合、冷暖房費が瓦屋根の二倍や三倍ではすまなくなるようだ。