樹脂(2)樹脂(B)合成樹脂 ②フタル酸樹脂
2021/03/09
合成樹脂 ②フタル酸樹脂
樹脂(2)樹脂(B)
石油を原料として得られる無水フタル酸などの多塩基酸とグリセリンなどの多価アルコールと反応して得られるもので、塗料用には植物油で変性された油変性フタル酸樹脂が用いられ、合成樹脂塗料の発展の基礎をなすもので、量的にも最も多くしめられています。
使用する油の種類とその使用量によって、いろいろ性質の異なったものが得られます。
一般に油の使用量の多いものを長油性フタル酸樹脂、油の使用量の少ないものを短油性フタル酸樹脂、両者の中間位のものを中油性フタル酸樹脂と呼んでいます。
長油性フタル酸樹脂は、大豆油、サフラワ油、あまに油などで変性し、自然乾燥ハケ塗り塗料として単独またはボイル油と併用して使用されます。
中油性フタル酸樹脂は乾性油で変性する場合が多く耐候性は油性塗料に比べすぐれており、一般にフタル酸樹脂エナメルとして使用されます。
また、メラミン樹脂、尿素樹脂と併用して焼き付けフタル酸樹脂エナメルとして使用されることもあります。
短油性フタル酸樹脂は、やし油またはひまし油などの不乾性油て変性することが多い。
一般にはニトロ セルロース・ラッカーに使用するか、あるいはメラミン樹脂、尿素樹脂と併用して焼き付け塗料に使用されます。
フタル酸肩の中にはさらにロジン、フェノール樹脂、スチレン、アクリルなどてらされたものもありますが、いずれも乾燥は早く、硬度は高くなりますが、それぞれ性質の長短が出てきます。
フタル酸樹脂を展色剤とした塗料は、耐水性にやや劣りますが、耐候性、付着性、乾燥性、保色性、作業性そのほか、数多くのすぐれた特長を有しており、油性塗料に代わって飛躍的にその使用量も増し、用途も拡大してきています。