『割栗石は小端立てに並べる』
2021/03/13
『割栗石は小端立てに並べる』
敷地に縄を張って、建物の位置を決めたら(水盛りやり方という)、水杭を打ち、それに遣形貫き(やりがたぬ)を渡し、設計図に合わせて水平の糸(水糸)を張る。
この水糸から、基礎の中心線を出し、何センチの幅、何センチの深さという形で溝を掘っていく。
この溝掘りのことを「根切り」という。
これが、基礎工事にかかる前の地業(土工事)のおよその順序だ。
この段階で注意しなければならないのは、根切り底といえども、均等に平滑に掘削されているかどうかということだ。
根切りがすむと、底に割栗石を並べていく。
これは直径四~五寸の石で、根切り底にびっしりと並べていく。
日本のように湿気の多い土地では、根切りにじかにコンクリートを流し込んだのでは、コンクリートが水気を吸ってうまくない。
割栗石は必ず入れなくてはならない。
と一並べして突き固めてしまうが、これでは強度の点で心配だ。
公庫仕様でもうるさくいっているが、小端立てといって、立てて入れないとだめだ。
卵と同じ理屈。
卵を横に並べて上から押したら、すぐにペシャンと割れてしまうが、立てておけばかなりの重さがかかっても割れない。
堅い業者ならそのあたりは心得て工事を行うが、素人にはわからないだけに怖い。
ただ、割栗石をふんだんに使い、その石の間に目つぶしの砂利がきちんと充填されているようだったら、安心してよい。