ケレンとは? 錆落とし? 等も知っておこう!
2021/05/21
ケレン作業の内容
ケレン作業の内容は作業レベルによって、下記のように1種~3種もしくは4種に分けられている。
- ケレン1種(サンドブラスト等による除去)
特に腐食の著しい状態の時に適用される。
化学処理もしくはブラスト処理により、大部分のミルスケール(黒皮)・赤錆・その他異物等を除去し金属光沢を出す。
ブラストとは、白けい砂(サンドブラスト)や鋼粒(ショットブラスト)あるいは鋼砕粒(グリッドブラスト)を圧縮空気や遠心力によって吹き付けることにより、その衝撃力や摩擦力によって錆を落とす方法である。
当然のことながら、ケレン1種は設備や環境保全の面から現場塗装には適用出来ないので、著しい腐食のある外壁塗装の場合、通常は部材を交換するのが一般的である。 - ケレン2種(サンダー等の電動工具等による除去)
塗膜が劣化し腐食が進んだ状態の場合に適用される。
#60~#80番手程度の研磨ホイールを使うディスクサンダーやパワーブラシを使ったワイヤホイール、あるいは圧縮空気で振動させるニューマチックハンマー等により、ミルスケール・赤錆・異物を除去し、わずかに金属光沢を出す方法である。
これらの電動工具を使う方法は、浮いている錆ならば除去出来るが完全な錆落としは出来ず、また、電動工具を使えない部位もあるので、手工具と併用するのが一般的である。 - ケレン3種(手工具による除去)
塗膜のほとんどが活膜の状態で、部分的に錆が見られる状態に適用される。
ワイヤブラシ、皮スキ、やすり等の手工具を使い、ミルスケール等を落とすもので、鋼材の素地を完全に露出させることは出来なくて、赤みを帯びたレベルにする程度である。 - ケレン4種
錆がなく表面を清浄するレベルである。
現場塗装の場合はケレン2種で行うのがベストだが、対象物の部位や形状により手作業で作業をせざるを得ない場合が多く、完全な錆落としを行うことが困難な場合も多いのが現実である。
従って、塗膜が活膜ではあるが、変色・白亜化・付着物が多い状態か、部分的に錆が見られるケレン3種程度で錆落としが出来る時期に塗り替えることが望ましい。
既に、錆が進行している場合、カラー写真を使って錆落とし処理基準(見本版)を作成しお客様に予め了解を得ると共に、作業者にしっかりと指示するべきである。