工場や倉庫の塗り替えについて 塗り替えを行うメリットを考えよう パート4
2021/06/14
下地処理の方法
下地補修は下地の種類や状態によって数多くの方法があります。
ここでは代表的な補修方法をご紹介させていただきます。
金属部分の下地調整
一般的に金属部分は最も早く劣化の症状が出ます。
築後5年経過したことから、錆の発生は見られるようになります。
塗り替えの前に表面に発生した錆を完全に処理しておく必要があります。
錆の発生により浮いた塗膜、または錆の上から塗装しても期待どおりの性能は発揮できません。
この錆を除去する作業をケレンと言います。
補修の流れ
- 劣化塗膜(浮き・割れ・剥離・膨れなど)はケレン工具を用いて入念に除去します。
- 部位によりワイヤブラシ・サンドペーパーによる手ケレンや電動工具を使い分けて錆を完全に除去します。
- 全面に軽くサンドペーパーをあて、ウエスなどでほこりや汚れを除去し清掃します。
付着物を残したままで塗装しますと、当然新しい塗膜の付着性能は低下してしまいます。
下地処理の方法
錆の程度や塗膜の劣化度合いによって、ケレンの方法が1種ケレン〜4種ケレンまであります。
- 1種ケレン
旧塗膜の状態
特に腐食が著しく見られる状態
下地調整後の状態
旧塗膜、腐食部分を完全に除去しピカピカの金属下地を出す
使用工具・工法
ブラスト工法 - 2種ケレン
旧塗膜の状態
塗膜が劣化し腐食が目立つ状態
下地調整後の状態
旧塗膜や腐食部分を除去し鉄肌をあらわす
活膜が存在する場合は残す
使用工具・工法
ディスクサンダーなど電動工具とワイヤブラシなど手動工具 - 3種ケレン
旧塗膜の状態
塗膜のほとんどは活膜であり、部分的な損傷や発錆が見られる状態
下地調整後の状態
ケレン工具で劣化塗膜は除去し発錆部の錆を落として鉄肌をあらわす
使用工具・工法
ディスクサンダーなど電動工具とワイヤブラシなど手動工具 - 4種ケレン
旧塗膜の状態
塗膜は活膜であるが変色や白亜化(チョーキング)し、付着物などが多い状態
下地調整後の状態
粉化物及び汚れを除去し清浄にする
使用工具・工法
ワイヤブラシやサンドペーパーなど手動工具