どれくらいの量の塗料がつくられているの?生産量やタイプ別でみる塗料
2021/07/09
どれくらいの量の塗料がつくられているの?
生産量やタイプ別でみる塗料
日本塗料工業会の資料「日本の塗料工業´06」を見てみましょう。
世界の主要国の2003年度の塗料生産量は、アメリカが706万トンで1位、以下、中国が242万トン、ドイツが205万トン、日本が178万トン、イタリアが112万トン、スペインが101万トンという具合になります。
一部の国でデータが入手できていないところもありますが、大雑把に言うと北米で約800万トン、欧州で750万トン、日本を含むアジアパシフィックで750万トン、計2300万トンを生産していると言ったところでしょうか。
03年の生産量と90年の生産量の比は、中国が260%、インドが378%と大きく伸長し、アメリカ、ドイツなどの先進工業国も130%を超える好調な推移を示していますが、日本は残念ながら81%と低迷しています。
日本における塗料生産量の推移は、1950年にわずかに8.4万トンであったのが、高度成長期を経て急速に増大し、88年には200万トンを超えました。
しかし90年をピークに減少、横這い傾向になっています。
05年度の日本における品種別生産量では、合成樹脂塗料が全体の67.1%を占め、その他塗料が7.4%、シンナーが25.5%になっています。
合成樹脂塗料の内訳では溶剤型塗料が38.3%、水系塗料が22.8%、固形樹脂塗料が6.0%になっています。
溶剤型塗料では各種樹脂塗料が比較的平均的に生産されていますが、水系塗料はエマルションペイントと最近伸長著しい自動車用などの水性樹脂塗料が拮抗しています。
また、固形樹脂塗料の大半は道路用マーキング塗料であり、いわゆる粉体塗料は1.6%を占めるに過ぎません。
塗料分野では環境問題、とくに溶剤削減は待ったなしの課題です。
今後、水性樹脂塗料、粉体塗科の増加が予想されます。
ポイント
- 世界一の生産国はアメリカ、日本は4位
- 国内の合成樹脂塗料の内訳は溶剤型が多く、水系、固形樹脂塗料の順