顔料を選ぼう 色の表現から充填剤まで
2021/07/22
顔料を選ぼう
色の表現から充填剤まで
顔料は着色などの目的で用いられる樹脂、溶剤、水などに不溶の粒子で、溶解するものは染料といいます。
塗膜性能に及ぼす顔料の影響も極めて大きいものがあります。
顔料は従来、体質顔料、錆止め顔料、着色顔料に分類されていましたが、これ以外にフレーク顔料、機能性顔料があります。
体質顔料は例えばクレー、タルクのように樹脂成分と屈折率に大差がなく、混合するとほぼ透明になる顔料ですが、加えることによって塗膜を硬く強くしたり、研磨しやすくしたりする効果があります。
錆止め顔料は金属の錆発生を抑えるために下塗りに用いられる顔料です。
例えば、亜鉛末のように電気化学的に防食するもの、ジンククロメートのようにクロムイオンを供給するもの、シアナミド鉛のように表面をアルカリ性にするものなどがあり、防錆に効果がありますが、重金属を含む顔料の使用はできなくなってきています。
着色顔料には有機顔料、無機顔料を含め多くの種類があります。
顔料は色味、着色力、下地の隠ぺい力、耐薬品性、耐候性を配慮して選択します。
錆止め顔料同様、黄鉛、クロムバーミリオンなどの重金属を含む顔料は使用されなくなっています。
有機顔料は一般に鮮明な色と着色力をもちますが、隠ぺい力や顔料の分散性に劣る傾向があります。
また、フレーク顔料は鱗片状のアルミニウム、酸化チタンコートしたマイカ、着色マイカ、シリカフレークなどで、自動車塗装には欠かせない特殊な色彩を与え、意匠開発に欠かせない顔料になっています。
フレーク顔料については、また別の機会に記載いたします。
機能性顔料は塗料にさまざまな機能を付与するために用いる顔料であり、例えば蛍光顔料、示温顔料、導電性顔料、断熱性・遮熱性顔料、潤滑性顔料、光触媒顔料などがあげられます。
ポイント
- 顔料には体質・錆止め・着色・フレーク・機能性顔料がある
- 着色顔料は種類が多く適切な選択が必要