塗料はこのように膜を形成する 塗膜はチョコとクッキーの2種類
2021/07/30
塗膜はチョコとクッキーの2種類
塗料はこのように膜を形成する
塗料は被塗物あっての存在で、どんな形状の被塗物をも被覆しなければなりません。
そのためには次の2点が必要条件となります。
- 塗れること(流動すること:液体)
- いつまでもドロドロしないで固まること(塗膜になること:固体)
沢山の塗料が製品化されていますが、一般的に理解されているのは、塗料をペンキと呼ぶことと、種類で分けると①水性か油性か、②屋根用・床用・壁用・プラモデル用などの用途別のものがあることくらいでしょうか。
塗料、塗装分野の人間はペンキとかペンキ屋と呼ばれることを好みません。
塗料と言う化学工業製品を開発し、適切な管理の下で塗装し、社会に貢献することが私たちの誇りです。
水性塗料も油性塗料も固化し、被膜 (塗膜)を形成しなければ塗装の目的を達成することができません。
固化したら、全ての塗料はチョコとクッキータイプの2種類のみに分類されます。
すなわち、塗膜を加熱した時、チョコのように流動するものと、クッキーのように流動しないものとに分類されます。
この違いを生じる原因は何でしょうか?
液体が固体になる乾燥・硬化過程 (第2章9節)に秘密があります。
塗料が乾く間に、塗膜になる樹脂成分の分子量が増大するかしないかです。
化学反応で分子量が増大する塗料はクッキーになるし、化学反応しない(分子量不変) 塗料はチョコになるのです。
化粧品のネイルエナメルはチョコタイプの塗料です。
速乾性で、容易に溶剤で除去できることが特徴です。
屋根用の塗料には耐候性が必要ですから、丈夫な膜になるクッキータイプがお薦めです。
ほとんどの水性塗料は塗膜になるポリマーが水中に粒子として分散しており、粒子同士の融着により連続した塗膜になります。
塗料が固化する様式を図に示します。
ポイント
- 塗料は流動して、固化する機能性材料
- 固化したら、チョコとクッキーの2種類のみ
- ネイルエナメルはチョコタイプの塗料