塗料の塗り方 塗装の原理を理解して適材適所に選択しよう
2021/08/04
塗装の原理を理解して適材適所に選択しよう
塗料の塗り方
塗装方法は、塗料を直接、被塗物に移行する直接法と、霧にして移行する噴霧法とに大別できます。
各方式に属する塗装方法には長所、短所があり、適材適所に選択することが大切です。
それは塗装の目的や使用する塗料の粘度、さらに被塗物の形状や大きさが異なるからです。
塗付け能力だけを取り上げると、刷毛塗り・ヘラ付け・吹付塗り・ローラ手塗り・自動吹付・静電吹付・カーテンフローコーター・電着塗装・静電粉体塗装という順位になります。
作業スピードではカーテンフローコーターやロールコーターが最も速く、はけ (刷毛)塗りは毎分約2㎡と遅いですね。
しかし、前者は被塗物の形状に制約を受け平板状でなければ塗装できませんが、はけ塗りには自由度があります。
複雑な形状になるとはけでも難しく、霧にして吹付けるスプレー塗装が有利になります。
この塗装の欠点は噴霧粒子が飛散するため、塗着効率 (塗料使用量の何%が被塗物に付着したかを表す割合) が悪いことです。
その後、静電塗装機の出現により塗着効率は大きく向上しました。
塗装に適する塗料の粘度についてみますと、カーテンフローコーター、ロールコーター、しごき塗りや浸せき塗り (ディッピング)には、高粘度(水の1000~5000倍程度)の塗料が適用可能です。
はけやローラ塗りでは水の粘度の200倍程度までは可能ですが、高粘度になるほど作業性も悪く、はけ目が残ったりして仕上がり外観が悪くなります。
一般のエアスプレー塗装では水の粘度の50倍程度までしか対応できません。
単に塗り広げるだけの操作は塗装とはいえません。
出来上がった塗膜が被塗物に十分に付着し、期待された機能を果たすには、被塗面との間にすき間があったり、塗膜に穴やはじきなどの欠陥があってはなりません。
このことを念頭に置き、被塗物の形状や作業性、塗料の粘度や乾燥性を考慮して、適切な塗装方法を採用することが大切です。
ポイント
- 意外と多い塗装方法
- 塗り方は直接法と噴霧法に大別できる
- 塗装方法ごとに、塗料粘度には適正な範囲あり