静電スプレー塗り 静電気を上手に使い塗着効率を高める
2021/08/11
(1)コロナピン方式
エア・エアレススプレーで霧化した噴霧粒子に対して適用する方式です。
塗装機先端のコロナピンに高電圧(-3万~-10万V)を印荷し、⊖に帯電した塗料粒子が静電気の引力でアースされた被塗物に付着します。
噴霧粒子は被塗物の裏側に良く塗着し、本章2節で示したように塗着効率が向上します。
(2)円盤回転方式・円筒カップ回転方式
新車の塗装ラインで実用化されているものが、示すベル型静電塗装機です。
塗料の霧化にエアを使用しません。
霧化頭の役目をするベル型のカップ内に塗料を供給し、これを高速回転(1万5000~4万rpm) させると、遠心力で塗料が薄く引き延ばされ、カップの縁から放出されると、霧化粒子になります。
カップにはコロナピンと同様に-9万V程度の高電圧が印荷されており、粒子は帯電します。エア霧化コロナピン方式よりも塗着効率が向上し、仕上がり外観も良好です。
(3)粉体静電方式
液体塗料と同じ機構のコロナピン方式と摩擦帯電のトリボ方式とがありますが、実用的に普及しているのはコロナピン方式です。
トリボ方式では高電圧発生機は不要で、粉体粒子が空気と混合することで流動し、塗料粒子は塗装機内部の円筒壁面に何回も衝突、摩擦しながら帯電します。
円筒壁面にはテフロン製とナイロン製のものがあります。
外部電界の影響がなく、帯電粒子を必要な箇所に供給できれば、凹部をはじめ、グリッド形状や複雑形状品の隅々にまでよく塗着します。
ポイント
- 静電スプレーは高塗着効率を達成できる
- 霧化に遠心力を利用するベル型静電方式
- 粉体は空気があるから流動し帯電する