コラム 色々な話
2021/09/28
色々な話
コラム
「国旗の世界史」という本によると世界193ヶ国の国旗に用いられている最も多い色は赤で150ヶ国、以下、白142ヶ国、青105ヶ国、黄・金90ヶ国、緑80ヶ国、黒58ヶ国と続きます。
色は視認性を高めますが、中でも赤は最も目につきやすい色であるとともに太陽・火・情熱・血・革命といったことを連想させる色です。
中国の五行思想は、前漢時代(紀元前1世紀頃)に成立し、すべてのことがらが陰、陽の気によって生じるとする思想です。
すなわち基本的な構成要素である木(陽)・火(陽)・土(中間)・金(陰)・水(陰)との関係で説明され、色(五色)との関係では木は青、火は赤、土は黄、金は白、水は黒ということになります。
キトラ古墳の壁に描かれている青龍・白虎・朱雀・玄武や相撲の土俵の青・白・赤・黒房はこの五行思想に基づくものです。
このように色には歴史や文化に基づく象徴性があります。
これからの塗料産業を考える時、ハード面では「機能」と「環境」がキーワードですが、ソフト面ではより深く色彩調節に関わっていくことが重要と思われます。
単に色の着いた塗料を供給するというだけでなく、都市景観を総合的に考えて色彩を提案していく機能の充実です。
美しく調和のとれた快適な空間をつくりだすために塗料は大きな力を発揮するでしょう。
視認性の点では色弱の方への対応も必要です。
色弱の方は網膜にある波長分布の異なる3つの光センサーの1つが無いか、弱い人で、結果的に赤と緑の区別がしにくいといった方です。
すべての人が容易に認識できる標識や表示のための色選択が行われつつあります。