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塗料の構成 #1塗料に使われる原料 #4溶媒

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塗料の構成 #1塗料に使われる原料 #4溶媒

塗料の構成 #1塗料に使われる原料 #4溶媒

2021/10/16

#1塗料に使われる原料 #4溶媒

塗料の構成

塗料には、一般的に、溶媒として「有機溶剤」、または、「水」が使われる。

これらの溶媒は、塗膜状態になった時には、消え去ってしまう成分ではあるが、塗料を液状に保つことにより均一に塗りつける作業を行えるようにする役割をするので、良い塗膜を形成する上で非常に重要な成分である。

有機溶剤とは、物質を溶解する性質を持つ有機化合物をいい、溶解、沈静、抽出等の化学処理に使われる化学物質であり、多くの種類がある。

これらの化学物質は、個々に、溶解力や沸点等の性質が違い、混合されると、相乗効果によって溶解能力、蒸発特性、展延性等の特性を発揮する。

塗料に使う場合の役割を整理すると下記のようにまとめることが出来る。

 

  1. 主溶剤
    助溶剤樹脂等の固形分を溶解して液状にする役割は同じであるが、主溶剤とは、その溶剤単独で樹脂等を溶解することのできるものを言い、助溶剤とは、その溶剤単独では、溶解することができないが、主溶剤と合わせて使用すると溶解性能が発揮できる溶剤である。
  2. 希釈剤
    塗料を塗りやすくするために塗料を薄め、粘度を下げる役割をする。
    過剰に混合すると、必要な膜厚を確保することが困難になるので過剰に使うことは出来ない。
  3. リターダー
    主剤、硬化剤が反応して高分子化するための時間を確保するために、蒸発を抑制し、乾燥時間を調整する働きがある。

なお、現場で塗料を薄め塗りやすくために使用されるシンナーは、補助材料であり、各塗料の主要素に対する溶解性や蒸発特性を考慮して調合されている。

シンナーの種類と一般的な成分は、表に示すとおりであるが、それぞれの有機溶剤には次表のものが使われている。

注意すべきことは、ウレタン系塗料の場合、ラッカーシンナーのようなアルコール系の組成の溶剤を使うと硬化剤が反応して、適切な重合反応が出来ないことになる。

また、「ペイント薄め液」とも呼ばれる「塗料用シンナー」は、どの現場にも持ち込まれているが、このシンナーには、溶解力がまったくないので、樹脂成分がだんご状態になってしまう。

一方、各種の溶剤系塗料の希釈剤として塗料用シンナーが指定されているが、誤ってラッカーシンナーで薄めてしまった場合にも問題が発生する。

ラッカーシンナーの方が強い溶解力があるので、一見、よく混合されているように見えるが、そのまま塗装すると、艶引けしたり、2回塗りしたときにしわになり仕上がり異常を起こすことになる。

従って、シンナーはどのようなものでもよいという訳ではなく、各塗料の専用シンナーを使わなくてはならない。

実際の現場作業の場合、対象物の特性や気象条件によって極度に塗装作業性が悪い場合がある。

このようなときに、作業性を高めるために、シンナーを加えれば、塗りやすくなって、作業スピードが上がるが、単に、作業性だけで判断してシンナーを加えると、仕上りの異常等を起こすこともあるので注意しなくてはならない。

外装材の塗装の場合は、外気に開放され現場で作業をするので、周辺に拡散して作業環境に与える影響が少なく、また、紫外線や雨風の影響を受けることから、技術的に性能の高い溶剤系の塗料を使わざるを得ないことが多いが、火災の防止や安全衛生、あるいは、環境保護の面から問題点が多い。

このため、VOC(揮発性有機化合物:VolatileOrganicCompound)対策の一環として弱溶剤化が進み、また、PRTR法により指定されたトルエン等の化学物質の使用を回避するための配合変更が進んでいる。

溶剤系の塗料の方が一般的に高性能であるとしても、戸建住宅の塗り替えの場合は、作業現場が隣家と接していることが多く、お客様が住んでいる所で作業をするので、今後は、環境にやさしい水系の塗料を使う方向に行き着くことと思われる。

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