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塗装作業 #1下地調整

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塗装作業 #1下地調整

塗装作業 #1下地調整

2021/12/05

#1下地調整

塗装作業

いかに高性能の塗料を使っても塗料が付着するための適切な下地になっていなければ、その性能を発揮することが出来ない。

例えば、鉄系素地の場合、塗装により、防食効果を高めるためには、塗膜の性能を高めることもさることながら、素地調整の結果に左右され、その寄与率は50~60%といわれている。

適切に素地調整して良心的な仕事をするためには、目に見えないところに相応の費用がかかるので、お客様に下地の状態を事前に確認して頂いて、お客様の納得を得なくてはならない。

下地処理

劣化した塗膜を残したまま塗装した場合、上塗りされた塗膜の付着が弱く剥離につながるので、粉化した旧塗膜、浮き、はがれ、割れ、はがれ等の塗膜は、ケレン治工具、電動工具を使って完全に除去し、その後、高圧洗浄により、汚れ、粉塵を洗い落とし乾燥する。

セメント系素地の場合、不陸、欠け、クラック等の補修を必要とすることが多く、特に、モルタルについては、浮いている場合もあるので十分に確認して適切な処理を行わなければならない。

金属系素地については、タガネやワイヤーブラシ等の手動工具を併用しながら電動工具によりケレン作業を行う。

場合によっては、旧塗膜を完全に除去するために、剥離剤を使うことも必要である。

また、平滑な材料については、研磨紙を使って目粗をすることにより付着性を高めることも大切である。

研磨布紙は、布やクラフト紙、和紙等の基材に溶融アルミナや炭化ケイ素の人造研磨粒子がフェノール系、もしくは、エポキシ系の接着剤で付着されている。

これらの規格は、JIS規格(JISR6251~6260)に定められているが、研磨布紙の種類を表す場合、研磨材の粗さは、「#30」を「P30」と言うように、粒度の数字の前にPをつけるように定められている。

用途別の粗さ(番手)は、同一の材料を研磨する場合は、こまめに研磨屑を除去しながら、粗いものから細かい目の番手に切り替えて仕上げる。

研磨用品には、その他、金属繊維と砥粒を固めたディスク、ナイロン不織布に砥粒を接着したシート、あるいは、スポンジの表面に研磨剤を塗りつけたもの等各種各様のものが発売されているので、研磨対象の材質、形状等を見て、目詰まりが少なく作業性の良いものを選ぶ。

なお、電動工具を使う場合は、防塵マスクや保護メガネを着用して作業を行う。

高圧洗浄

塗料を密着させるために、下地に付着している油や錆、塵埃等や粉化した塗料(チョーキング)、その他旧塗膜の浮きがあった場合、剥離の原因になる。

このため、これらを完全に除去する必要があり、70~100kgf/㎠に加圧した高圧水により表面を洗浄する。

高圧洗浄機は、ガソリンエンジンタイプで来るだけ小型軽量で騒音が少ないものが望ましい。

通常は、高圧洗浄により、大部分の付着物を除去出来るが、石材に付着した汚れのように、汚れが基材に浸透している場合は困難なため、温水を使って浸透させることにより付着力を弱め、水圧による衝撃により除去する。

洗浄剤を併用する場合は、バイオ洗浄剤を使ってブラシ等で塗布し水で流し落として洗浄する。

通常カビや藻の除去に使う洗浄剤は、「次亜塩素酸ソーダ」を主成分としており、水中で徐々に分解されるので水で洗い流すことが出来るが、有害物質のため、作業時は保護メガネ、ゴム手袋を必ず着用し、目に入れたり、皮膚に付着させないように注意しなければならない。

非常に汚れている場合は、100kgf/㎠以上の高圧水により洗浄することもあるが、この圧力は、ノズルの出口の圧力であって、実際に壁に当たる水圧は、その距離や噴射角度に左右される。

たとえこのような高圧状態で噴射したとしても、劣化した塗膜を完全に洗い落とすことは不可能であり、目地等の不具合がある場合や高圧水で目地を破損させた場合、内部に水が進入することがあるので、洗浄前、洗浄中の確認が必要である。

また、当然のことながら、高圧で噴射すると、汚れが飛散して、周囲を汚す危険も増すので注意する。

殺菌・防藻処理

カビの再発生を防ぐためには、洗浄剤を使って洗い流し、2時間程度乾燥させた後、ローラーでアルコール系防藻剤を塗布する。

洗浄後は、洗い流すように使うが、防藻剤は塗布した後、洗わないでそのまま下塗剤(シーラー)を上に塗布するという違いがある。

ただし、このような処置をしたとしても完全にカビを抑えることはできない。

現状では、絶対的な効果がある殺菌剤は存在しないので、「環境が同じならば、いずれは再発する!」というように認識していた方がよい。

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