屋根塗装には縁切りが必要!その理由とは?
2023/07/29
縁切りとその必要性
まず、縁切りとは何かについて解説します。
スレート瓦の屋根をローラーで塗装すると、瓦が重なっている部分に塗料が入り込んでしまいます。
そして、そのまま乾燥してしまうと重ね目が塞がった状態になります。
そこで必要なのが縁切りです。
縁切りとは、塗料が乾燥したら、塞がった隙間の塗膜を切り、水の通り道を確保する工程のことです。
なお、新築時にスレート瓦は塗装を行わないので、新築後1回目となる屋根塗装で縁切りをする必要はありません。
2回目以降に必要です。
では、なぜ縁切りが必要なのでしょうか。
それは、雨漏りを防ぐためです。
屋根に降り注ぐ雨水は、スレート瓦が重なっている隙間を抜けることで屋根の中で溜まらない仕組みになっています。
しかし、重ね目の隙間が塗膜で塞がることで、スレート瓦を伝って屋根の中に雨水が侵入してしまうのです。
雨漏りは、症状が目に見えにくいので、気付いたときにはすでに重症化していることが多いです。
縁切りは手間がかかりますが、するのとしないのとでは住宅に与える影響が大きく異なります。
縁切りが不要な屋根もある!?
縁切りの必要性をお伝えしましたが、実は不要な屋根もあります。
- 勾配が急な屋根
5~6寸勾配以上の急傾斜の屋根は、縁切りはいりません。
傾斜があることによって、水はけが良くなるので塗料も溜まりにくく、雨漏りする心配がないからです。
ご自身の住宅が急勾配の屋根の場合、基本的に縁切りは不要です。
しかし、劣化していることもあるので、必ず業者に点検してもらうことをおすすめします。 - 経年劣化で反っている屋根
スレート屋根は、築7~8年経つと経年劣化が始まり、先端が反りあがってしまいます。
屋根が反って3ミリ~5ミリの隙間が発生している場合、縁切りは必要ありません。
なぜなら、その大きさの隙間があれば塗料が詰まることがないからです。
屋根の反りは日当たりが良い南面で起こりやすく、1軒の住宅でも1面だけ縁切りをせず、残りは縁切りをするというケースもあります。
まとめ
縁切りは塗装後のスレート屋根の塗膜を切り、水が抜ける道を作る作業のことです。
縁切りをすることによって、雨漏りの防止に繋がり、屋根を守ることができます。
しかし、急勾配の屋根や経年劣化で先端が反っている屋根は、縁切りをする必要がないので、念頭に置いておきましょう。