塗装の下地処理におけるケレンとは?塗料密着を高める重要工程を解説
2026/02/04
塗装を施す際、見た目の美しさだけでなく、その耐久性や長期的な性能を左右する重要な要素があります。
それは、塗装を始める前の「下地処理」です。
素材の表面を整え、塗料がしっかりと密着できる状態を作り出すこの工程は、完成した塗膜の品質を大きく左右します。
特に「ケレン」と呼ばれる作業は、この下地処理の中でも欠かせないステップであり、塗料の性能を最大限に引き出し、塗膜の寿命を延ばすために不可欠な技術と言えるでしょう。
塗装におけるケレンとは
ケレンは、塗装を行う前に素材表面を清掃し、下地を整える作業全般を指します。
英語の「clean(クリーン)」が語源とも言われ、塗装の密着性を高め、塗膜の寿命を左右する非常に重要な工程です。
この作業を適切に行わないと、塗料が素材にしっかり定着せず、本来の性能を発揮できなかったり、早期に塗膜が剥がれてしまったりする原因となります。
塗料の密着を高める下地処理
ケレンは、塗装面を清潔で平滑な状態にすることで、塗料との密着性を劇的に向上させます。
素材表面に付着した油分、汚れ、ホコリ、古い塗膜の剥がれ、そして最も重要なサビなどを除去することで、塗料が素材の素地に直接、あるいは強固に結合できるようになります。
これにより、付着不良や塗膜の早期剥離を防ぎ、塗装の仕上がりを均一で美しく保つことが可能になります。
塗膜の寿命を左右する重要工程
塗膜の耐久性や寿命は、下地の状態に大きく依存します。
ケレン作業が不十分でサビや旧塗膜の不良部分が残ったままだと、それらが塗膜の内部から進行し、剥離や腐食の原因となり、結果として塗装全体の寿命を著しく縮めてしまいます。
適切なケレンによる下地処理は、これらの劣化要因を取り除き、塗膜が長期にわたってその性能を維持するための基盤となります。
ケレンは塗装前の必須処理
ケレンは、塗装の仕上がりや耐久性を確保するために、塗装作業の前に行われるべき必須の工程です。
たとえ高品質な塗料を使用しても、下地処理が不十分ではその効果を十分に発揮できません。
塗料メーカーや専門家も、ケレンこそが塗装の成否を分ける鍵であると口を揃えています。
将来的な塗装の状態を左右するこの工程を、軽視せずに確実に行うことが求められます。

ケレンの種類と目的
ケレン作業は、素材の状態や除去すべき対象に応じて、主に4つの種類に分類されます。
それぞれの種類には異なる目的と作業方法があり、素材の劣化状況に合わせて適切なものが選択されます。
1種ケレンは徹底的な除去
1種ケレンは、素材表面のサビや旧塗膜を完全に除去し、下地の鋼材面をむき出しにする最も強力な方法です。
主にブラスト法(ショットブラスト、サンドブラストなど)が用いられ、高い圧力で研磨材を吹き付けて表面を研磨します。
これにより、徹底的に汚れやサビを除去できますが、大掛かりな設備が必要で、粉塵や騒音の発生も伴うため、大規模な構造物などに適用されることが多いです。
2種・3種ケレンは工具による除去
2種ケレンと3種ケレンは、主に動力工具や手工具を用いて行われます。
2種ケレンは、サビや旧塗膜を可能な限り除去し、鋼材面を露出させますが、1種ほど完全ではありません。
大規模なサビの発生など、状況に応じて適用されます。
一方、3種ケレンは、旧塗膜のうち密着の良い部分(活膜)は残し、サビや剥がれ、膨れなどの不良部分のみを除去する工法です。
活膜を残すことで、作業範囲を限定し、素材へのダメージを抑えることができます。
4種ケレンは表面の清掃
4種ケレンは、素材表面に付着した粉化物やホコリ、軽い汚れなどを除去する、最も軽微な下地処理です。
素材の劣化が少なく、サビや旧塗膜の剥がれ、膨れなどがほとんど見られない場合に適用されます。
主に、表面の洗浄や、塗料の定着を良くするための軽い目荒らしを目的として行われます。

まとめ
塗装におけるケレンは、単なる表面の清掃ではなく、塗料の密着性を高め、塗膜の寿命を決定づける極めて重要な下地処理工程です。
素材のサビや旧塗膜の状態に応じて、1種から4種までのケレン作業が使い分けられます。
徹底的に除去する1種、工具を用いる2種・3種、そして表面清掃にとどまる4種と、それぞれ目的が異なります。
適切なケレンを実施することで、塗料本来の性能を最大限に引き出し、長期にわたる美しい仕上がりと耐久性を実現することができます。
塗装の質は、このケレン工程にかかっていると言っても過言ではありません。





