顏料 (1)―1着色顔料(無機顔料) ①チタン白(酸化チタン) TiO₂ (JIS K 5116)
2021/02/25
(1)-1着色顔料(無機顔料)
①チタン白(酸化チタン) TiO₂ (JIS K 5116)
主原料はイルミナイト(主成分は酸化チタンで、チタン白約50%含有)または、スラッグ(砂鉄にしたものでチタン白約65%含有)が主として用いられていて、これらを濃硫酸で処理して硫酸チタンとし、これを加水分解して沈澱させ、ばい焼し製造されます。
加水分解、ばい焼工程、薬品処理の方法や工程の変化により、ルチル型、アナターゼ型および粒子の大小など品質、銘柄の変わったものが作られます。
この顔料は物理的性質、特に屈折率が高く、したがって、着色力、隠ぺい力が大きく(表参照)耐熱性にすぐれ、化学的にも不活性で安定であって、耐薬品性に強いなどのすぐれた性質があり、白色顔料中その需要が多く、最も多量に使用されています。
白色顔料の着色力、隠べいカと比重の比較
ルチル型チタン白は、白色度はアナターゼ型にくらべてやや劣りますが、塗膜の黄変性が少なく、また耐候性に強く、白亜化がしがたい。
主として外部用塗料、合成樹脂塗料に用いられています。
アナターゼ型チタン白は、ルチル型にくらべて白さはよいが、塗膜の黄変性がややあり、また耐候性にも劣り、白亜化しやすい。
主として内部用塗料下塗り用塗料に用いられます。
白亜化しやすい性質を利用して外部用上塗り塗料として適度に白亜化させ、徐々に表面層が流れ落ち、下塗りがあらわれれば塗り替えるといった、つねに清潔な白さを保つようにつくられた塗料もあり、石油プラントのタンク外面に塗装されています。