外壁塗装豆知識~調色のデメリットと色選びのポイント~
2021/03/20
外壁塗装豆知識~調色のデメリットと色選びのポイント~
調色はなるべく避けた方が良い理由 その2
今回は前回の続きになります。
本題に入りましょう。
まず最初にお伝えしておきたいのは、ここで話す内容は「絶対にダメ」ということではなく、「できれば避けたほうが良いかも」という程度のことです。
必ず守るべきルールというわけではありませんが、知っておくと役に立つことがあると思いますので、ぜひ参考にしてくださいね。
調色を避けたほうが良い理由
さて、なぜ「調色」を避けたほうが良いのか、その理由について詳しく説明していきます。
まず、「社団法人 日本塗料工業会」が発行している塗料用標準色見本帳(以下、日塗工見本帳)についてです。
この日塗工見本帳には、赤・青・黄色の三原色を基にした色がたくさん載っていますが、この中でも特に原色に近い色やピンク系(水色、黄緑、紫などの色)は避けたほうが良いとされています。
それは、これらの色が「色飛び」、つまり色あせしやすいからです。
例えば、近所でピンク色の家を見たことがあるかもしれません。
最初は鮮やかなピンク色だったのに、3〜5年後には白っぽくなってしまっていることがあるかもしれません。
ピンク系や明るい色は、特に色あせが目立ちやすく、時間が経つにつれてその鮮やかさを失ってしまうことが多いです。
色あせると、せっかくの美しい外観が台無しになってしまいますし、再塗装が必要になることもあるため、なるべく避けたほうが良いのです。
また、日塗工見本帳を使って調色すると、近い色は作れても、全く同じ色を再現するのが非常に難しいことがあります。
たとえば、もし塗料が足りなくなって追加で塗料を作る必要が出てきたときや、後日同じ色で再塗装したいというときに、まったく同じ色を再現できないことがあります。
このような状況になると、追加の部分だけ微妙に色が違ってしまい、全体の仕上がりに違和感が出ることがあります。
また、日塗工見本帳には有効期限があり、廃盤になってしまう色も出てきます。
これも、調色を避けたほうが良い理由の一つです。
コスト面でのデメリット
さらに、調色を行うと塗料代が通常よりも2〜3割ほど高くなることが多いので、コスト面でもデメリットがあります。
塗装工事において、予算は大切な要素の一つです。コストが上がると、他の部分での調整が必要になったり(例えば、塗装範囲を縮小したり、使用する材料を変更したり)、全体的なプランに影響が出たりすることがあります。
そのため、プロとしては、できるだけメーカーが提供している色見本帳の中から色を選ぶことをおすすめしたいのです。
色あせしにくい色のおすすめ
では、「色あせしにくい色はどれ?」という質問にお答えすると、白や黒系の色が比較的色あせに強いです。
白は清潔感があり、どんな建物にも合わせやすいですし、黒はシックでモダンな印象を与えます。
また、グレー系(白と黒を混ぜた色)も色あせしにくく、落ち着いた雰囲気を作り出すことができます。
グレー系は特に、周囲の景観に溶け込みやすく、シックで上品な仕上がりになるのでおすすめです。
さらに、これらの色はどのような環境でも馴染みやすく、時間が経っても美しさを保ちやすいという利点もあります。
建物の外観は長く見られるものですから、できるだけ長持ちし、手間がかからない色を選ぶのが良いでしょう。
まとめ
今回は調色を避けたほうが良い理由についてお話ししました。
塗料選びはとても重要なステップですので、ぜひ慎重に考えてみてくださいね。
少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです!